嘉手納清美(かてな きよみ)さんは東京都新宿区出身で、家族は沖縄出身の女優さんです。
1960年代後半から1970年代にかけて映画やドラマで活躍し、『バンパイヤ』や『おひかえあそばせ』などに出演していました。
また、歌手や声優としても活動されていて、芸能界を引退後は家族の沖縄料理店「南風」を経営されていた有名人です。
今回は、嘉手納清美さんの代表作を振り返りながら、彼女の輝かしい人生を振り返っていきたいと思います。
嘉手納清美 代表作とその関係性
嘉手納清美さんの代表作には、『ウルトラセブン』のサロメ星人役があります。
特撮ドラマ『ウルトラセブン』第46話「ダン対セブンの決闘」(1968年放送)で、サロメ星人(女)役を演じ、印象的な水着姿も披露されました。
その他にも様々な作品に出演されています。
有名作品
1つ目は『バンパイヤ』(1968年~1969年)での、岩根山ルリ子役。
独特のミステリアスさと和洋折衷の美しさが活かされた役で、主演回も多く存在しました。
特撮・変身ヒロイン要素も強い作品です。
2つ目、『おひかえあそばせ』(1971年)、池西すみれ役。
日本テレビ系列のホームコメディで、レギュラー出演し、明るく親しみやすい性格が印象的なキャラクターを演じました。
この他にも、『特別機動捜査隊』『ザ・ガードマン』『三匹の侍』『怪奇ロマン劇場』『プレイガール』などの人気ドラマや、『喜劇 駅前火山』『裸の青春』といった映画にも出演しています。
関係性について
嘉手納清美さんの代表作は多様なジャンル(特撮、時代劇、コメディ)にまたがっており、それぞれの役柄で異なる魅力を発揮されました。
サロメ星人や岩根山ルリ子のようなミステリアスな異星人、妖怪的キャラクターから、『おひかえあそばせ』の明朗なヒロインまで、幅広い演技力が特長です。
また、沖縄出身であることから、舞踊やエキゾチックな印象を活かした役柄が多かったことも特徴と言えます。
嘉手納清美さんは「セブン美女」だけでなく、特撮やホームドラマなど昭和の多彩な映像文化で印象的な女性キャラクターを多数演じ、その“和洋折衷・異国情緒・親しみやすさ”が共通の魅力です。
嘉手納清美 演じた役柄と『おひかえあそばせ』での役柄の共通点
嘉手納清美さんが演じた役柄と、『おひかえあそばせ』で嘉手納清美さんが演じたすみれ役に共通する点は、「強い女性像」や「自立した個性」の描写にあります。
身体能力や主張の強さ
すみれは強い女性であり、柔道の有段者である薫(山本紀彦さん)を、見るたびに投げ飛ばすという役でした。
嘉手納清美さんが特撮作品などで演じたミステリアスで芯の強い女性像と、肉体的にも精神的にもタフなすみれのキャラは通底しています。
また、時代を感じさせるウーマンリブ的描写も特徴的です。
1970年代の日本で女性の地位向上運動(ウーマンリブ運動)が始まり、「おひかえあそばせ」もその流れを取り入れたドラマと指摘されています。
これは、嘉手納清美さんの多くの役柄にも見られる、「自らの意志で行動する女性」「伝統的な“良妻賢母”像に収まらないキャラクター」という特徴と重なるわけです。
コメディの中で見せる個性の強さと愛嬌
すみれは「記憶力が悪く、引越し先になかなか辿り着けない」など、ドジで親しみやすい一面も持っていました。
嘉手納清美さんの他の代表作でも、シリアスさとコミカルさのバランス、個性的な言動で観客に印象を残す点が共通しています。
さらに現代ラブコメの原型となる存在感もありました。
すみれや姉妹たちがいわゆる「ツンデレ」的な要素を持ち、当時としては珍しかった“男性に翻弄されない女性像”を前面に出している点も、嘉手納清美さんの演じる役柄に多く見られる個性です。
このように、嘉手納清美さんは『おひかえあそばせ』のすみれ役をはじめ、昭和期の映像作品で「強さ・自立・コミカルさ」を兼ね備えた女性キャラクターを体現し続けている点が、大きな共通項となっています。
嘉手納清美の演技スタイル 『おひかえあそばせ』にどう影響したのか
嘉手納清美さんの演技スタイルは、『おひかえあそばせ』において、キャラクターに生き生きとした自立心やコメディタッチな親しみやすさを与えたと考えられます。
芯の強さやミステリアス感
嘉手納清美さんは特撮やドラマで培った、芯の強さや少しミステリアスで個性的な雰囲気を持つ演技で知られていました。
すみれ役ではその特徴が、柔道有段者の勝ち気な性格や、明るく逞しい家族像を際立たせる要素となっています。
また、昭和の女性が伝統的価値観と新しい時代の自立像の間で揺れる時代背景の中、嘉手納清美さんの自分の意思や行動力を持つ演技は、「良妻賢母」にとどまらない現代的な女性像の表現に寄与しました。
これにより、すみれ役は“時代を変える女の子像”の一例とされ、コミカルでありながらもしっかり者、視聴者の共感を誘う存在感を発揮しています。
ドラマ全体の雰囲気を良くする
紹介したような嘉手納清美さんの演技スタイルが、姉妹や家族のやりとり、ドラマ全体のテンポや笑いを生み出す原動力となり、『おひかえあそばせ』の明るい家庭劇コメディとしての魅力を底上げしました。
嘉手納清美さんの表現方法は、『おひかえあそばせ』のキャラクター設定やストーリー展開に複合的な影響を与えたと考えられます。
嘉手納清美 表現方法でキャラクター設定やストーリー展開にもたらした影響
先程紹介させていただいた通り、素晴らしい演技でキャラクターの設定やストーリーの展開に多くの影響を与えた嘉手納清美さん。
演技力により、もたらされた影響を少しだけご紹介します。
ユーモアを交える存在感
嘉手納清美さんが得意としていた自立心や芯の強さ、ユーモアを交えた存在感は、「すみれ」というキャラクターの設定に直接生かされました。
例えば、柔道有段者の男性を物怖じせず投げ飛ばすというコミカルな特色や、姉妹の中でひときわ個性的な立ち位置を自然体で“活き活きと”演じることで、脚本の意図を超えてキャラクターに人間味と親しみやすさを与えています。
新しい女性像
出典:https://birthday-database.com
昭和期のホームコメディにおいて、従来の“良妻賢母”的女性像がありました。
この考え方から脱し、自分の意志と行動力を持つ女性像が求められ始めた時代背景に変わりつつある中、嘉手納清美さんの表現は当時の「新しい女性像」を体現し、ストーリー展開にも影響します。
すみれが物語の中で自主的に問題に関わり、時に物語を推進する役割も負うことで、受動的な登場人物としてのみならず能動的に物語へ介入するキャラクター像を強調しました。
演技面
演技面では、コミカルさと真面目さを場面によって切り替え、家庭劇内のテンポの良いやりとりや感情の起伏を支えています。
これにより、視聴者がすみれの感情の機微を“体験”でき、キャラクターや物語への没入感が高まりました。
このようなアプローチは、キャラクターの深掘りとストーリー展開の両面で相乗効果を生み、すみれを単なる脇役に留めず、ドラマ全体の魅力やリアリティを厚みのあるものとしています。
芸能界引退後の嘉手納清美
1982年に女優業を引退し、家族が東京で創業した沖縄料理店の経営を引き継いだ嘉手納清美さん。
表舞台から姿を消した彼女の生活がどのようなものなのか、調べることができた情報をご紹介できればと思います。
家業への転身と経営者としての歩み
女優業を引退後は、家族が東京・新宿歌舞伎町で創業した沖縄料理店「南風(なんぷう)」の経営を引き継ぎ、2015年まで店主として活躍しました。
芸能活動から離れ、沖縄文化の発信や家族経営に尽力する日々を送っているみたいです。
引退後はマスメディアへの登場も極めて稀で、目立った公の活動はありませんでした。
画像は右側の女性になります。
ゲスト出演
公の姿を見せていなかった嘉手納清美さん。
しかし2003年に、有料CS番組『ウルトラ情報局』に久々にゲスト出演されていたことが分かりました。
かつてのファンやウルトラシリーズ関係者から、大変酷く喜ばれた模様です。
また、家庭や家族との結びつきを大事にされているらしく、沖縄舞踊を特技とし伝統文化への造詣も深いとあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
嘉手納清美さんの代表作を振り返りながら、彼女が作品に強い影響力を残し、人々の心に深く残る素晴らしい女優さんだったことが分かったと思います。
また、晩年の嘉手納清美さんは、華やかな芸能生活を経て沖縄料理店経営者として地域や文化に貢献し、静かな私生活を送りながらも、時折ファンの前に姿を現すという穏やかな日々を過ごされていることも発覚しました。
2025年現在もご健在のようです。
かつての嘉手納清美さんはグラマーなスタイルでも評判が高く、とくに『ウルトラセブン』第46話での黒い水着姿が視聴者に強い印象を与えました。
ファンからは「なかなかグラマーでらっしゃる!」と直接的な評価が寄せられており、当時の特撮ヒロインの中でもエキゾチックな美貌とあいまって“セブン美女”として語り継がれています。
さらに、全体的な印象として「憧れ」や「愛すべき」といった好意的な評価が多く、美貌とスタイルを兼ね備えた女優として世代を越えて注目されました。
このような姿を見ることが出来ないのは、残念ですが、元気な姿をこれからもたまにテレビなどで拝見できると嬉しいです。
最後までご覧下さり、ありがとうございました!!